2013年4月28日日曜日

"できる"は具体的に

私は、"できる"という表現を文章や話の中で使うときは、気を付けるようにしています。

"できる"という表現には・・・
◇過 程 : すべてできる or 部分的にできる
◇手助け: 独りでできる or 手助けがあればできる
◇調 子 : 調子が良くても悪くてもできる or 調子が良いとできる
◇頻 度 : 毎回できる or 〇回に△回できる
◇理 解 : やり方を理解しできる or 理解はしていないが形で覚えていてできる
◇場 所 : どこでもできる or 家庭、学校ならできる

などが要素として含まれています。


自閉症の人たちに共通する点として、
能力を発揮するためには環境が大きく影響することが挙げられます。
独りでできていたことが急にできなくなったり、
家でできていることも外出先だとできなかったりするといったことがあります。

また、複数あるプロセスを理解し、実行することが苦手なことも挙げられます。
包丁で野菜を切ったり、フライパンで具材を炒めたりすることはできるのに、
1つの料理を作ることができない。
1つ1つの技能は持っているのに、連続して行うとできなくなるといったことです。

そして、意味を理解していないが、形やパターンとして行っていることも挙げられます。
誤ったことをしたとき、「ごめんなさい」と言えるが、その"謝る"という意味が理解できていない。


環境に影響されやすかったり、複数の過程を行うことが苦手だったり、物事をパターンで覚えてしまったりする人たちなので、支援者によってはその人のある部分の能力しかみられないといったことがおきます。
そんなとき、支援者同士で評価や意見が食い違わないようにするためにも、
"できる"という表現を使うときには、環境や条件に付いても具体的に伝えることを心がけています。

2013年4月26日金曜日

経験に+α

息子に対して、いろいろな経験をさせてあげたいと思うことがあります。
私も高校野球で汗を流したり、自転車で日本縦断をしたり・・・。
いろいろな経験があって今の自分があると思っています。

経験から学び、他のいろいろなことに活かしていくことが人を成長させていくのかなと思います。
でも、自閉症の人たちに対しては、"経験をさせること"にプラスしなければならないことがあります。
それは、意味のある経験をさせることだと考えています。


定型発達の人たちは、
1つの経験から他のことに活かしたり、
成功や失敗した経験を自分で分析したりすることが自然にできます。

しかし、自閉症の人たちはその特性から、
1つの経験は同じ状況だと活かせるが、少しでも状況が異なるとうまく活かすことができないこと。
自分で状況や手順、方法などを系統立てて分析し、理解することが苦手です。
また、注目するポイントも人それぞれであり、
教わっていないことはできなかったり、
自己流のやり方で行い、行動がパターン化してしまうことがあります。


このような特性がありますので、定型発達の人たちのように、ただ経験させるのではなく、
この経験を通して
◎どんなことに注目してほしいのか
◎何を学んでほしいのか
◎どんな方法で行ってほしいのか
など
支援者が事前によく計画・準備し、意味のある経験をさせてあげることが大切だと思います。
そして、1つ1つの状況、それぞれで丁寧に学んでいくことも大切です。

2013年4月24日水曜日

理解→尊重→説明=仲良し☆

異なる文化の人たちと仲良くなるには、
相手の文化を理解することや尊重すること。
そして、自分たちの文化についても理解してもらうように伝えることが大切だと思います。

このようなことは、自閉症の人たちと関わる上でも同じことがいえるのではないでしょうか。


自閉症の人特有の世界の捉え方などを称して『自閉症の文化』といわれることがあります。
自閉症の"障害"ではなく、自閉症の"文化"
自閉症の人たちの文化を理解し、尊重することの大切さを教えてくれていると思います。
また、私たち定型発達の文化についても伝えていくことが大切だと思います。


自閉症の人たち特有の捉え方や表現の仕方、学習の仕方を理解することと同時に、定型発達の世界では、どのようなルールや表現の仕方、行動が望まれているのかも丁寧に説明し、伝えていくこと。

また、どうしてもお互いが譲れない点については、自閉症の人に一方的に我慢させるのではなく、定型発達の人たちも受け入れられるような方法を提案していくことが大切だと考えています。

2013年4月23日火曜日

『自閉症の目』を持とう!

私が自閉症の人と関わるときに心がけていることがあります。

それは『自閉症の目』になること。

自閉症の人たちは、定型発達と呼ばれる私たちとは脳の使い方が異なっているといわれています。
そのため、周りにある環境や情報の捉え方、学習の仕方が異なっています。
ですから、自閉症の人たちを本当に理解するためには、自閉症の人たちの"目"を通して、物事をとらえる必要があります。

自閉症の人たちに、私たち定型発達の人の"目"を想像してということは難しいです。
それは、自閉症の特性の一つでもある他者の視点に立ち理解することが苦手だから。
だったら、私たちから自閉症の人の"目"になって歩み寄れば良いだけのことです。

自閉症の"目"を持って支援したり、教育したり、地域の環境を整えたりできる人が増えれば、自閉症の人たちがもっと伸び伸びと生活できる社会になると考えています。

やっと例年の暖かさになった函館

2013年4月20日土曜日

悪気はないのよ

新しい人間関係が始まると、相手の反応を引き出そうとする自閉症の人がいます。

例えば、急に走り出したり、コップの水をこぼしたりといった相手が困るような行動。
いつもは一人でできることを相手に手伝ってほしいと要求したりする行動など。

これらは、この新しい人がどのような人間なのかが知るための行動であると思います。
相手の反応を見ることによって、「この人はこんなことをしたら注意するんだ」とか、「ここまで手伝ってもらえるのか」など、自分の知りたいことを確認しているのだと思います。


このようなとき支援者は、きちんと制止することは制止し、いけないことだとはいけないことだと伝えることが大切です。
最初だからといって、曖昧な反応をしてしまうと、「この人は何をしても良いんだ」と誤ったメッセージを送ってしまうことになります。
自閉症の人たちの記憶の特性として、後から関係性を修正することは難しくなります。

同様に、本来ならできることを手伝ってもらおうとする行動も気をつけなくてはいけません。


支援者は、スキルや理解がなくて、困る行動や手伝ってほしいと要求しているのか?または、相手のことを確認したくて行動しているのか?を見極めること。
また、これらの行動に対して、マイナスの感情をもたないこと
が大切だと思います。

新年度が始まり、ちょうど今頃、学校などでこのような行動をしている子どもがいるかもしれませんね。
子どもたちは、支援者のことを知りたがっています。
その方法は、定型発達の子どもとは違うかもしれませんが(笑)
子どもたちにわかる手段で、正しいメッセージを伝えてください!

2013年4月19日金曜日

こだわるものは・・・

こだわるものは『癒しのもの』

こだわるものは『注目しやすいもの』

こだわるものは『理解しやすいもの』


こだわりに対しては、制止するよりも、こだわりたいという内側のパワーをうまく発散させてあげる方が、本人にとっても周囲の人にとっても良いと思います。

ただし、周囲に影響を及ぼすこだわりは、お互いの妥協点を見つけることが大切ですね。

自閉症の特性の一つである"こだわり"を上手に生かした支援ができることを目指しています。

2013年4月16日火曜日

安全地帯

4月はいろいろと変化がある時期ですね。

学校や職場で
新しい仲間や支援者、場所など。

定型発達の私たちでも、いろいろな変化に対応していくことは疲れちゃいます。
それなら、変化が苦手な自閉症の人たちにとっては、もっと大変。

そんなときにはどうやって乗り越えていけば良いの??


私は「変わらないもの」があることが大切だと思います。


自分の周りにあるものがすべて変わってしまったら・・・
まったく知らない土地に行き、ゼロから生活するようなもの。
そうならないためにも、変わらないものがあると安心です。


子どもが落ち着かなると、何かを変えなきゃと思うのは当然の気持ちです。
でも、ちょっと一呼吸~。
学校や職場での変化に混乱しているようなら、変わらない環境を作ってあげて。

あなたの家族
あなたの家
あなたの部屋は何も変わっていない

そんなメッセージが子どもの心身の疲れを癒してあげられることにつながるかもしれません。

2013年4月14日日曜日

自閉症のA君?A君は自閉症?

自閉症が先か?
個人が先か?


私はA君が自閉症を持っていると考えます。

あくまで個人が先。

A君という一人の人間がいて、その中で自閉症の特性を持っていると。


"person with Autism"

アメリカのTEACCHプログラムでは、まず人が先に来ることを強調されており、
個人を尊重することから始めることの大切さを教わりました。

世界に一つだけの辞書

自閉症の人たちの支援を行うことはある意味
『世界で一つの辞書を作る』ようなもの

支援する自閉症の人がどのように物事を捉え
どのように考えているかを書き記す


じゃぐちからでるみず【蛇口から出る水】
きらきら光ってきれいなもの。触ると光が見えなくなるので、手を入れたくありません。

ちいさいこのなきごえ【小さい子の鳴き声】
自分が小さかったとき、困って泣いていたことを思い出してしまうので、嫌いな音。

おとうさん【お父さん】
学校が休みの日に家にいる人。「ダメ」と言ってきても、2・3度要求を言えば叶えてくれる人。お母さんよりもランキングは下。

ぽてとちっぷす【ポテトチップス】
味が好きというよりは、いつも同じ味がするので好きな食べもの。

えがお【笑顔】
楽しくて笑っていることと、困ってどう表現したらよいかわからず笑ってしまうことが半分ずつ。


辞書のページが増えるほど
彼のことを理解してくれる人が増えていく

自閉症の人たちとの関わりが楽しくなるには

「まずは行動してみよう
行動して失敗したら、別の方法に変えれば良いだけさ!」

私はこのようなアメリカ的な考え方が大好きです。

どちらかというと私は完璧主義なところがあり、
自閉症の人たちに対する支援も
たくさん準備し
たくさん頭の中で模擬練習をし
細かいくらい確認し
そして、結果がうまくいかず落ち込む・・・(涙)
といった若い頃でした。

でも、うまくいかなかったことは、
これも支援した人の貴重な情報であり、
なぜ、うまくいかなかったのかを考えることは支援の質の向上につながってく。
このように考えられるようになると、ますます自閉症の人たちの支援が楽しくなりました。

ある自閉症の人に合った方法が、別の人に合うわけではありません。
どんな頭の良い大学教授も
長年、自閉症支援に携わってきた専門家も
自閉症の診断ができる医師も
最初から完璧な支援はできないと思います。

支援する人のことを知り、
いろいろな方法を試しながら、
この人に合ったオリジナルの支援方法を見つけていく。

1度や2度の支援の失敗が即すべてをダメにすることはないと思いますよ。
もっと気楽に自閉症の人たちと関わって、支援を楽しめる人が増えたらいいなと思ってます。

原点

子どもを

怒鳴ったり

怒りをぶつけたり

無視したり

そして、独りになって自分を責めたり・・・


誰が悪いのではなく

独りで子育てを抱えこんでしまう状況が問題


疲れたときは、パートナーや自分の親、福祉サービスに子どもを見てもらい

自分の好きなことを

友だちとおしゃべり

映画にショッピング・・・


つらいときに

「つらい」といえる社会に!

助けてほしいとき

「助けて」といえる社会に!


学生時代に感じたことが今につながっています

2013年4月10日水曜日

「減点法」から「加点法」へ

就労するためには・・・
・ほかの人がいる場所でも一緒に仕事ができなければならない
・8時間働ける体力が必要
・上司に的確に報告ができなければならない
・手だてを使わなくても仕事ができるように
・パニックや不適応行動はなくさなければならない
 などといわれることがあります。

でも本当にそうでしょうか??

ほかの人と一緒の場所で働くことが難しければ、一人になれる場所で仕事をしても良いのでは?
8時間働くことが難しければ働く時間自体を1時間にしても良いのでは?
上司に的確に報告することが難しければ、上司が定期的に確認すればよいのでは?
手だてがあればできるなら、手だてを使ってもよいのでは?
パニックや不適応行動があるなら、ほかの人と時間をずらして仕事をすればよいのでは?

私は、支援者が柔軟な考えを持つことができれば、もっと多くの自閉症の人たちが働いて活躍することができると思っています。

働くための理想像があり、「何が足りないのか」という減点法でその人を見るのではなく
この人は、「こんな力を持っている」、「こんなことが得意だ」というように加点法で見ていく方が、自閉症の人たちの就労を考えるときに大切ではないかと考えています。

定型発達と呼ばれる私たちだって、「働くために必要なスキルがすべて身についたから就職しよう!」とはなっていないはず。

みんな苦手なことがあって当たり前!
得意なことを得意な人がとことんやれば良いのではないでしょうか?

2013年4月6日土曜日

好きなものを買うこと

今日、街で2名のASDと思われる人を見かけました。
40代くらいの成人の方は、スーパーで買い物かごいっぱいのお菓子や飲み物を買っていました。
中学生くらいの青年の方は、お財布を首から下げ、電気屋さんに小走りに入っていきました。
今日は休日。
2人とも″買い物″という余暇を楽しまれているようでした。

アメリカの研修でお話してくれたASDの方が「週末に働いて得たお金でCDを買いに行くことが楽しみなんだ」と笑顔で言っていたことを思い出しました。
自分で得たお金で好きなものを買う。
そしてまた好きなものを買うために仕事を頑張る。
このような繰り返しが日々の生活に力を与え、また主体的な生活へとつながっていくのだということをそのASDの方から教わりました。

今日出会った2名の方は、一人で買い物に来ていました。
迷うような様子がなくテキパキと買い物を行う姿に、本人の力はもちろんのこと、家族や学校、その他の支援者からの教育やサポートがあることも垣間見ることができた1コマでした。

2013年4月4日木曜日

交通ルールは守りましょう!

信号機のある横断歩道を渡ることって難しいことですよね。
「なにを言ってるの!?信号機が青になって渡るだけでしょ~」と思われるかもしれません。
しかし、もう少し掘り下げて『信号機のある横断歩道を渡る』ということを考えてみます。

信号機が青になったからって横断歩道を歩き出すと危険です。
何故なら、信号無視した車やギリギリになって右折してきた車がくるかも‼
ですから、信号機が青になったことを確認したあと、必ず車が来ないことを確認する必要がありますよね。
つまり、最低でも2つのことを判断して渡るかどうかを決めなければなりません。

①信号機が青=○ 車が来ない=○
 →横断歩道を渡る
②信号機が青=○ 車が来た=×
 →横断歩道は渡らない
③信号機が赤=× 車が来ない=○
 →横断歩道は渡らない
④信号機が赤=× 車が来た=× 
 →横断歩道は渡らない
⑤信号機が黄=× 車が来ない=○
 →横断歩道は渡らない
⑥信号機が黄=× 車が来た=× 
 →横断歩道は渡らない

私たち定型発達と呼ばれる人たちは、瞬時に複数のことを判断することができます。
しかし、自閉症の人たちの中には、複数のことを判断するのに時間がかかったり、苦手だったりする人もいます。
渡ってよいのか判断することに時間がかかり、なかなか横断歩道を歩き出せない人もいるかもしれません。
複数のことを同時に判断することが苦手な人は、なにか1つのことのみを歩き出すための判断にしているかもしれません。
例えば・・・
『信号機が青』のみを判断基準にしている人は、50%の確率で安全に渡ります。
『車が来ない』のみを判断基準にしている人は、危険な目に遭うことは少ないかもしれませんが、赤や黄色信号で渡ってしまうかもしれません。

その他にも『周りの人が歩き出したら』、『支援者の指示があったら』などということを判断基準にしている人もいるかもしれませんね。


ドライバーのみなさん、無理な右折はやめましょう!
もしかしたら、『信号機が青』=Go~と渡る自閉症の人がいるかもしれません。

横断歩道を渡るみなさん、信号無視はやめましょう!
もしかしたら、あなたの背中を見て、渡って良いと判断する人がいるかもしれません。

なにか特別なサポートができなくても、私たちがきちんとルールを守ることで、自閉症の人たちが生活しやすい地域になっていくと私は思っています。

☆まだ雪の残る函館山☆

2013年4月3日水曜日

3600分の1歩

函館市:約28万人
七飯町:約3万人
北斗市:約5万人

自閉症者の人たちは、だいたい100人に1人の割合でいらっしゃるといわれていますので、計算上は約3600人の自閉症の方たちがこの地域には住んでいるといえます。

今日は、その中の一人の方と関わることができました。
その方とは学生時代の余暇支援ボランティアで関わらせていただいたことがきっかけで、もう10年以上お付き合いさせていただいております。
多くのことを教えていただいた方であり、自閉症の人たちと関わった仕事をしていきたいと思わせてくれた方です。
私は本当に幸せ者です。

3600人の方たちすべてにかかわることができくても、1つ1つの縁を大切にしていきたいと思います。
いつの日か3600人の自閉症の人たちが過ごしやすい地域になることを目指して!

2013年4月2日火曜日

世界自閉症啓発デーに出発

「この事業はどういった内容なのですか?」

開業届けに目を通した担当の方が尋ねました。

「自閉症の人たちが少しでも生活しやすくなるようなお手伝いをする家庭支援サービスです」
と答えましたが、担当の方のまだピンとこない表情も無理もありません。

「勉強も教えますが、基本的な生活習慣についても教えます。また、余暇やコミュニケーションの方法についても。相談にものったり、保護者の方と一緒に指導したりもします」

10分くらい説明させていただくと、「受理させていただきます。こちらの方でもいろいろ調べてみます」と言ってくださいました。


私が行おうとしている事業とは・・・。家庭支援サービスとは・・・。

「てらっこ塾」は、特定の形がないことが特徴なのかもしれません。

むしろ初めから決まった形がない方が良いと考えています。

利用していただける地域の人たちが、「成人支援を充実してほしい」といえば、成人の支援に特化していくかもしれません。

また、「子どもの支援に」という声が多ければ、子どもの支援に力を入れ、「余暇の充実を」となれば、余暇資源の開拓やイベントなどに形が変わっていくかもしれません。

ASDのための「てらっこ塾」は、私個人のものではありません。

この地域に住む自閉症の人たちのものになり、一緒に成長していければと思っています。

そのためにいつでも柔軟に、そしてニーズがあるならどんなことでもお手伝いさせていただきたいです。