2013年7月9日火曜日

自閉症の人たちにとって『生活の質の向上』とは

自閉症の人たちの支援を行っている者同士で話していると、『生活の質の向上』に対する考え方に違いがあると感じることがあります。

「本人ができないことは支援者が手伝って、生活に不自由を感じないようにしてあげよう」というようにして、「生活の質の向上」を目指す人がいます。
このような考え方を持っている人は、福祉関係の支援者に多いと感じています。
支援者が積極的に出かけることや楽しめるイベントを実施することなどを大切にし、本人が楽しいと感じてもらい、その結果、充実した毎日の生活へとつながっていくと考えている傾向にあります。

一方、教育関係の支援者は、本人が生活に必要なスキルを身につけることによって、『生活の質の向上』を目指す人が多いように感じます。
支援者の手助けを借りずに、自分の力で生活できることが、充実した毎日へとつながっていくと考えている傾向にあります。

簡単にまとめると、福祉関係の支援者が「サポートの質、回数の増加=生活の質の向上」であり、教育関係の支援者が「独りでできることが増える=生活の質の向上」であるというような違いが両者にあると感じています。

福祉関係の支援者からすれば、「何もそこまで厳しく教えなくても、手伝ってあげればいいじゃない」「もっと一緒に楽しい活動をすればいいじゃない」と思われる教育関係の支援者。
教育関係の支援者からすれば、「そんなことまで手伝う必要があるの」「手伝ってもらうことが本人にプラスになるの」と思われる福祉関係の支援者。
私が経験した福祉と教育の現場で、それぞれこのような意見を持つ支援者は多くいました。

てらっこ塾でも、利用してくれた自閉症の人たちの『生活の質の向上」を目指しています。
私は本人が生活に必要なスキルを身につけ、独りでできることが増えることが『生活の質の向上』につながると考えています。
自閉症の人たちは、見通しを持って自分一人の力で活動を行うことにモチベーションが高く、喜びを感じる人たちであるからです。

では、支援者の手助けが『生活の質の向上』につながらないのかと言われれば、そうではないと思います。
知的障害があるなしに関わらず、自閉症の特性からも情報が複雑で、変化の多い世界で完全に独りで生活することは難しいからです。
私は自閉症の人たちが1つでも多くのことが独りでできるようになることを目指し、できない部分は手助けやサービスを受けることで、『生活の質の向上』につながっていくと考えています。

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