2013年10月9日水曜日

福祉サービスにすべてを任せられますか?

「できないことは、福祉サービスで全部やってもらえば良い」と考えている人も多い。
そのような人は、本人ができないことは全部手伝うし、家庭や学校、福祉サービスでの本人の評価や目標はあまり気にしない。
私もできない部分はサービスを利用し、できる部分と合わせて"自立"と考えている。
しかし、そのできない部分が本当にできないのか、支援者側の影響でできないのか、で大きな違いがあると考えている。

私も自閉症児施設で働いていたとき、「子どもたちが自分でやるよりも、私がやった方が早い」と感じることは多々あった。
しかし、そこで本人たちにやらせず、私のような支援者が手を貸し続けていたら、この子たちはずっと人の手を借りて生きなければならないことになってしまうと感じていた。
だから、一人でできる可能性があることに関しては、たとえ時間がかかったとしても、一人でできるようになることを目指していた。

一人でできることが増えるというのは、本人の内面に自信を与えるだろう。
でも、もっと大切なことは、本人たちの人生の幅が広がっていくことだと思う。
もし、どんな活動を行うにも、人の手を借りなければならないとしたら、それだけ支援者の数が必要になってくる。
もちろん、それに伴うお金も必要になる。
そのお金というのは、本人だけでなく、社会が担うお金も含まれる。

人とお金が十分にあるなら、本人の人生の幅に大きな影響は与えないと思う。
しかし、不十分だとしたら・・・。
外出できる機会が減るかもしれない。
病院に行ける機会が減るかもしれない。
身の回りのことをするのにも、十分な手助けが受けられないかもしれない。
そうなると、本人の人生の幅は狭いものになっていく。

今後、障害を持った人が増えていくスピードと福祉サービスの充実のスピードを比べると、どうなるだろうか?
少ない福祉サービスをみんなで取り合う、なんてことが起こらないとも言いきれない。

確かに家の中にいる分には、困ることはないかもしれない。
確かに支援者がやった方が早くて正確かもしれない。
でも、できることが増えれば、それだけ人の手助けが必要なくなり、部分的な支援でいろいろな機会が選択できることになる。
今の生活は、将来の生活につながっている。
「できないことは、全部福祉サービスで」と考えている方に、このような視点があることも伝えていきたいと考えている。

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