2014年1月13日月曜日

「ストレス」という言葉は疑え!

「ストレス」という言葉は、使い勝手の良い言葉だと思っています。
何か問題や不調が起きると、「〇〇がストレスになった」「ストレスが溜まっていた」というと、聞いている方もなんとなく納得してしまう。
でも、"ストレス"って何でしょうか?

"ストレス"は見ることができません。
目に見えない"ストレス"を自閉症の人が捉えることは難しいことと言えます。
それは支援者も同じです。
自閉症の本人がうまく捉えることができない"ストレス"を支援者がどうやって特定することができるのでしょうか。

ストレスは人の行動に影響を与えます。
でも、そのストレスが何なのか、そもそも影響を与えているストレスが一つだけなのか、わかりません。
問題が起きたとき以前にストレスを感じたことがあったかもしれません。
フラッシュバックの影響もあるかもしれません。
ですから、ストレスを支援の根拠にすることは危険です。
本人も、支援者も、答え合わせのできない計算問題を解いているようなものですから。

根拠のない支援は、問題を更にこじらせる危険性があります。
根拠のない支援は、支援方法が正しかったのか、間違っていたのか、確かめることができません。
(ということは、今後の支援に活かすことができません)

ストレスを支援の根拠にすることは、"特定できないこと"以外にも避けるべき理由があります。
それは支援の方向性が「ストレスをなくそう」という方に向かってしまいかねないからです。
環境をコントロールすることには限界があります(他人の関わることだったら、永続的には、どんな場所でも?)。
またストレスと思われる事柄を遠ざけているばかりでは、本人の活動の幅を狭めてしまいます。

本人が混乱したり、不適切な行動をとってしまったときは、目に見えないストレスから支援を組み立てていくのではなく、
◎情報や刺激が多くなかったか?
◎その場面で求められていることがきちんと伝わっていたか?
◎その場面で必要なスキルを身につけていたのか?
◎過去と同じような場面でも、似た行動が出ていなかったか?
◎体調はどうか?(睡眠、排便、食欲など)
など、必ず客観的、他の人から目に見て確認できることであり、自閉症の特性を切り口に根拠を見つけていく必要があると考えています。
本物の支援者は、常に"自閉症の特性"に立ち返り、支援を展開していきます。

「ストレス」という言葉を耳にしたら、一歩立ち止まってみることを私自身心がけています。
自閉症の人たちは、抽象的ではなく、具体的に物事を捉える方たちです。
ですから、支援者も具体的に支援を組み立てていかなければなりません。
支援者間でも抽象的な"ストレス"の捉え方に幅が出てしまうと、支援の方向性がずれてしまうので、「ストレス」という言葉を具体的な言葉に置き換えてお話しするようにしています。

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