2014年10月17日金曜日

どんな職場を選べばいいの?

一般就労を目指す方から「どんな会社が良いですか?」と尋ねられることがあります。
大前提は、「その仕事を行うだけの能力が本人にあること」だと思います。
そして、「その仕事自体に本人の興味関心があることがあるか」という点だと思います。
この2点は、働く側で確認しておくポイントだと考えています。

では、会社側の確認ポイントと言われたら、私なりにいくつかあります。
例えば、その会社の離職率です。
年がら年中、「職員募集」となっているところは危険です。
それだけ職員が辞めてしまうということは、仕事自体が大変か、働きやすい職場ではないことが想像できます。
そうなると、そこで働いている職員は余裕がないことが多く、また多くのストレスを抱えていると考えられます。
もし、そのようなところで自閉症の人が働こうとすれば、丁寧に教えてくれなかったり、最悪の場合にはストレスのはけ口になってしまう危険性があります。
例え事業拡大による人材不足の「職員募集」であったとしても、事業が拡大とするということは場所や人、システムの変化が多く、落ち着きのない職場になりがちなので、どっちにしろお勧めはしていません。

あとは経営システムです。
全国的な会社なら障害者雇用に関するシステムが整っている可能性が高いので良い反面、融通が利きづらいということがあります。
その支店の店長に決定権がない場合が多く、採用や待遇面で柔軟的な対応ができないことがあります。
その分、地元の小さな会社なら融通を利かせてもらいやすいですが、障害を持った人に対するノウハウはあまり期待できません。

この他にも、社員とアルバイトの比率、社員の人数、経営状況、社外活動の有無、そして1番大事なことが「過去に障害を持った人を雇ったことがあるか」という点です。
雇ったことのある人は、どのような障害を持っていたのか?
その人はどのくらい働いているのか?
いつから障害を持った人を雇い始めたのか?
障害を持った人の離職率は?
などの点を確認することも仕事に就いたときのことを想像するのに参考になると思います。

よく「障害を持った人が働きやすい職場はどこですか?」と質問を受けますが、はっきり言えば、福祉的な職場を除いたら、全国を探してもほとんど見つからないのが現状だと思います。
最初から障害者雇用に意識の高い会社があり、そうした取り組みを行っている一般企業もありますが、それはごくわずかで、それぞれの地元で期待することは難しいです。
だいたい障害を持った人でも、その障害が何なのかで、対応がまったく異なっています。
身体障害と知的障害と発達障害と精神障害は全然違いますよね。

その会社の中で、障害を持った人が働きやすい環境になるまでには長い月日が必要です。
じゃあ、その会社は5年前、10年前から障害を持った人を雇っていたか?
このように考えると、特に発達障害の方たちにとって一般就労は高いハードルがあります。

発達障害を持った人が、定型発達の人と同じ会社で当たり前のように働けるようになるまでには、まだまだ長い道のりがあります。
しかし、発達障害を持った人が一般企業に進出していかない限り、一般の人の理解と働きやすいシステム作りにはつながっていきません。
ですから、どんな形でも良いので、今は一般企業で働く発達障害の人の数を増やしていくことが大切です。
発達障害を持った人が働きやすい職場、社会を目指すのは、現実的にはそのあとになると思っています。

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