2014年10月22日水曜日

周りをコントロールすることは難しい

先日のセッションでの話。
トイレで手を洗っていたら、トイレに入ってきた同級生に「お前は手を洗っていない」と言われたとのこと。
そのとき、腹が立ち、相手に言い返そうとしたが、我慢した。
でも、その日は一日気持ちが収まらず、ずっと部屋にこもっていたということでした。

よく話を聞くと、同級生の態度や言い方に腹が立ったわけではなく、自分は手を洗っているのにその事実と異なることを言われたことに腹が立ったそうです。
(ここは定型発達の人と注目するポイントが異なると感じました)

どうしてそのようなことを同級生が言ったのか、まではわかりませんでした。
もしかしたら、相手はからかって言ったのかもしれまんし、手の洗い方が不十分だったかもしれませんし、過去に手を洗っていなかったことを指摘したのかもしれませんし、見間違いの誤解かもしれません。

こういった場合、同級生に本人の特性などを伝え、接し方の留意点を伝えるという支援方法もあります。
でも、私はこの支援方法は選択しませんでした。
理由は、周りをコントロールすることには限界があるからです。
たとえコントロールできたとしても、最後には必ず行き詰まってしまう。

限られた世界で、限られた人間としか接しないのなら、もしかしたら周囲の環境をコントロールできるかもしれません。
でも、それができたとしても、不測の事態はどうしても起きますので、完全にコントロールすることは無理でしょう。
一般的な生活を送っていれば、自分が嫌だと思う出来事も、人も、避けることはできません。
ですから、私は周りをコントロールする支援方法に懐疑的な立場です。

では、実際にどのようなセッションを行ったというと、本人と一緒にその出来事を振り返り、対応の仕方と考え方の勉強をしました。
言い返そうとしたが、自制できたことは良かったこと
もし言い返したら、さらなるトラブルが考えられること
腹が立ったという高まった気持ちを静める方法
世の中には、事実以外を言う人もいること
などを一緒に学びました。
「我慢して言い返さなかったことは、大人の対応だったと思うよ」と伝えると、「そうですか」と言い、表情が穏やかになっていました。

周囲をコントロールしようとしても限界があります。
また原因を外に求めるため、"本人の成長"という視点を見失いがちになります。
世の中、不測の事態や理不尽なことばかりで、夢の国ではありません。
「他人と過去は変えられませんが、自分と未来は変えられる」という言葉は、この世の中で生きるために必要な真理を教えてくれているのだと思います。

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