自閉症のポジティブな情報の数を増やしていこう!

自分が「自閉症じゃないかな」と感じている人や、自閉症と診断された人が、インターネットや本などで自閉症について調べたことがある、という話は良く聞きます。
こういう話を聞くたびに思うのですが、とても危険なことだな、と思います。

特にインターネットで「自閉症」を検索すると、圧倒的にポジティブな情報よりも、ネガティブな情報が出てきます。
自閉症の人が苦労している話や「こんなことが苦手です」といった内容、自閉症者に対して中傷する内容も多く出てきます。

定型発達の人の場合、インターネットに書かれている内容はすべての事実を表していないことや、極端に強調されて表現されていること、ネガティブな情報ばかりだがポジティブな情報も実は書かれていないだけで存在していることを想像することが自然にできます。
しかし、自閉症の人の場合、書かれている内容以外を想像することが苦手であったり、視覚的情報に強く反応する傾向があるため、書かれている文字が強烈に脳にインプットされることがあります。
また単純に目の前に現れる分量で比較して「ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報の分量が多いのだから、自閉症とはネガティブなものだ」と捉えてしまうこともあります。
ですから、実際にお会いする自閉症の人の中で、ネットなどの情報から判断し、「自閉症はネガティブなもの」と思っている人が多くいます。

自閉症の特性として、いろいろなことがありますが、その特性は長所と短所が表裏一体になっているといえます。
決められたパターンを好むという特性は、良い面で言えば、きちんと物事を行うことができるということであり、悪い面で言えば、融通が利かないということになります。

私が日々、自閉症の方たちと接する中で大事にしていることは、自閉症のポジティブな情報を彼らに伝えることです。
ネガティブな情報は、嫌と言うほど目にし、経験している方たちです。
ですから、本人たちの持っている自閉症情報の中で、ネガティブな情報の量よりも、ポジティブな情報の量が増えるように、と心がけています。
よく自閉症のポジティブな部分を伝えると驚く当事者の方がいます。
それだけ自閉症のポジティブな情報は少なく、本人たちも気が付いていないといえるのだと思います。

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