2014年11月9日日曜日

"ネガティブな出来事"を"過去の経験"にする

自閉症の人たちとお話をしていると、過去の出来事を長く引きずっている人が多くいることが分かります。
背景には、時間という「抽象的な概念を捉えること」が苦手だという特性と関連があると思います。
また「記憶の違い」もありますので、強いインパクトを受けたことがらについて詳細に、生々しく記憶されるという特性とも関連があると思います。

そういった様子やお話を聞くと、フラッシュバックやPTSDなどが思い浮かびますが、私は医師や心理士ではありませんので、自閉症支援の考え方でアプローチしています。
私が行うことは、簡単に表現すると「ネガティブな出来事を"過去"の経験にする」ということです。

私たちが見ると、すでに"過去の出来事"だと思われるのですが、本人からしたら現在進行形のような捉え方をしているといったことがあります。
そんなときは、本人の中で「時間の整理ができていない状態」であると考え、「現在、過去、未来」を一緒に整理しています。
人それぞれ違うのですが、具体的に整理することが有効だと考えています。
そして、本人からしたら"現在進行形"の出来事を"過去"に位置づけられるような支援を行います。

自閉症の人たちは、「忘れることができない」という特性を持っています。
ネガティブな出来事を、特にインパクトの強い出来事ならなおさら"忘れる"という支援は、自閉症の人たちには合っていない方法だと思います。
ですから、きちんと整理して向き合えるような支援を目指しています。
いろいろな方と接して感じるのですが、"ネガティブな出来事"を"過去の経験"へと移せた瞬間から未来へと足を進めていけるのだと思います。

2 件のコメント:

  1. 娘にかなり前の私の言動を非難されたことがあります。「もうすんだことだから今さら謝ってもしょうがないでしょ。」と私か言うと、「思い出した瞬間、今起こっていることになる。謝ってもらえれば過去のことでも解決する。」と娘は言いました。私は納得しきれないものがあったけれど謝りました。娘は謝ってもらって納得いかなかった過去の出来事が1つ解決したと言いました。

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    1. 白崎の母さんへ

      娘さんの言動からも、私たちとは異なる時間の捉え方があるのだと感じられますね。
      私たちは意識しなくても現在、過去、未来を認識し、記憶の正しい位置に置いておくことができますが、自閉症の方は"今"との境目が曖昧なのかもしれません。
      ですから、たとえ過去の出来事であったとしても、1つ1つ解決し、納得していかないと次に進むことができないのですね~。

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