2015年1月29日木曜日

理想は海外のホームドラマに出てくる家庭

大人の自閉症の人たちと"家族"について話をするとき、よく話題に挙がるのが「海外のホームドラマに出てくるような家族が理想☆」ということ。
どんなところが理想的かと言えば、「愛してるよ」「大切だよ」と言っていたり、頻繁にハグしてくれるところが特に良いそうです。
「私もあんな家庭に生まれたかった」「来世は絶対アメリカ人」と言う人もいます(笑)

ある当事者の方が面白い話をしてくれたことがあります。
「私の両親は本当に仲が悪いんです。だって、「愛している」なんて言ったことを今まで一度も聞いたことがなかったのだから」
私はこの話を聞いたとき、最初に書いた"海外のホームドラマ"と通ずるものを感じました。
ちなみに、この方は「不仲なのに離婚しないで、今も夫婦生活を続けている両親のことが不思議。結婚って不思議ですね」とも言っていました。
ですから、「そうだよ。結婚は不思議なものだから、よっぽどでなければ判を押したらダメだよ」と、既婚の先輩としてアドバイスしました(笑)

日本の夫婦は、めったなことで「愛してる」なんて言いませんよね(あれっ、うちだけ!?)。
どちらかといえば、「"愛"は察しろよ」という感じ。
だけれど、これは自閉症の人にとってはわかりずらい。
だって、察するには見えない文脈から想像しなくてはならないから。
ですから、海外のホームドラマに出てくる家族のように、夫婦でも、親子でも、「愛してるよ」などとわかりやすく伝えてもらえると、自分が愛されていることがわかりやすいということだと思います。

ここからは私の経験の中から想像した物語なので、参考までに読んでくださいね。
ちょっとしたきっかけで、心がポキッと折れてしまう自閉症の方がいます。
また、なかなか新しいことに挑戦できずにいる方も。
そういった方たちと接していると、本人たちの言動から「愛情不足」というメッセージが伝わってきます。
しかし、親御さんと話をすると、愛情深く育ててきたことがよくわかります。
第一、お金を払ってまでも、我が子の成長を願っているのですから、大切に思っていないわけはありません。
でも、本人は愛情が足りないという。

こういったときに、頭の中に物語ができるのです。
『自閉症の人たちは、生まれたときから脳の機能の違いがある。
そういうことは、定型発達の人が自然に感じることも、受け取れなかったり、意味を間違って受けとったりする。
それは愛情についても同じで、日本的な愛情表現では自閉症の人たちは伝わりづらく、そのため、親御さんが一生懸命愛情を注いで育たとしても伝わっていない。
そのため、本人たちからしたら「愛情不足」であり、母子関係が確立する前の幼児のように、ちょっとしたことで心が折れ、常にビクビクし新しいことに挑戦できずにいるのでは』という物語です。

実際に、このような自閉症の方の依頼を受けることもあります。
そういったとき、私は本人が一番分かりやすい受信の方法を探り、親御さんにその方法を使って愛情を注いでもらうという取り組みをしています。
そして、この頃、立て続けに「子どもが変わりました!」という連絡を受けましたので、このようなブログを書きました。
ですが、あくまで参考程度に。

最後に別のエピソードですが、ある親子の会話を。
親「私はお前のことを大切に思い、愛しているから厳しく育てているんだ!」
子「大切に思って、愛しているなら、"優しく"育ててよね!意味がわかんない!」
お互いの主張は最もですよね。
こういったように受け取り方、伝わり方には違いがあります。
ですから、お互いの捉え方を理解し合うことが大事だと思います。

私はいつも今回のような依頼を受けると、親御さんに「さあ、ハリウッド俳優になりましょう」とアドバイスします。
「愛しているよ」「きみのことが大切だよ」「きみと一緒にいれて、私は何て幸せなんだ」と声に出して言ってみましょう。
そうすれば、自閉症の我が子に愛情が伝わりますし、夫婦間でも実践しなければならないので、冷めた夫婦にはもってこいです(*´з`)

2 件のコメント:

  1. 私は以前、いじめ・学力低下・不登校などの問題をかかえる子ども達と過ごした時期があります。その子達に私は「わが子に接するように」対応していました。娘が成人してから聞いた話では、「お母さんはよその子も私も同じあつかいなので、お母さんにとって私はよその子と同じなんだなと思って暮らしていた。」と言われ、とても驚きました。「わが子をよその子のように」ではなく、「よその子をわが子のように」と思っていたのに・・・そう思えなかったのと娘に言いましたら、「そうか。逆に考えていたんだ。」と言いました。が、長い間親の愛情を感じることができずにいたんだなぁ・・・とかわいそうなことをしたと思いました。成人する前に「障がい」がわかっていたら、うまくやってこれたのかなあと思うのはこんな時です。でも、わかった今でも日々娘の特性の「新たな発見」がありますから、今を大切に常に前を向いて暮らしていくのがいいんですね・・・過去を振り返るより。

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    1. 白崎の母さんへ

      そのようは出来事があったのですね。
      定型発達の人なら、その子たちの背景や状況を想像し、「お母さんは、その子たちのことを想って我が子のように愛情たっぷりに育てているのだな」と感じるのでしょう。
      たとえ嫉妬や寂しさがあったとしても、母親の意図を汲み取れると思います。
      やっぱり"想像力の違い"と"視覚的な思考"が関係してますね。

      でも大丈夫!
      今は娘さんの見え方が理解できているので、娘さんにわかる愛情の伝え方に気がついているはずです。
      愛情を伝えるのに遅すぎることはないと思いますので、ポジティブなメッセージをたくさん送ってあげてください。
      「今を大切に常に前を向いて」いければ、きっと好転し、成長していくと、私も思います!
      人はいつからでも成長し、変わることができますよね!

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