2015年3月22日日曜日

親がいなくなったあとを心配する成人の方たち

成人した当事者の人たちと交流があるのですが、親御さんと暮らしていて、就職もうまくいかない人たちから「自分の親がいなくなったあとのことが心配」と相談されることがあります。
特に誕生日を迎えたとき、「おめでとう」と声を掛けると、このような心配事を話される場合が多いです。
自分の年齢が一つ上がれば、このままではいけないという焦りと、将来の不安が強くなるのだと思います。

こういった発言が本人の口から聞かれたとき、私は「親御さんが元気なうちに、一人暮らしと安定した就労を目指しましょう」と言うようにしています。
親御さんがいる間なら、たとえ失敗したとしても、まったく生活ができなくなることはありませんし、その経験からどんな部分をサポートしてもらえれば、自分で生活できるのかを親御さんと一緒に考えることができるからです。
そして何よりも、親御さんが自分がいなくなったあとの子どもの姿を想像できますし、「もしかしたら一人でも生きていけるかも」「こういったサポートがあれば、大丈夫」というように心配事を減らすことにつながるからです。

もしかしたら、こういった試みをしなくても、万が一のときには障害者年金や生活保護、福祉サービスを利用すれば、親御さんが亡くなったあとも生きていけるかもしれません。
でも、遺された子ども自身の人生を考えたとき、一気に生活の質が下がるような気がしてなりません。
そのときになって、本人も、親御さんも、後悔しないように「自分の親がいなくなったあとのことが心配」という言葉が聞かれたときには背中を押すようにしています。
「頑張らなくても大丈夫」ではなく、「頑張ってみようよ」と。

過去のブログ「家でできる将来の生活の疑似体験」も、よろしければどうぞご覧ください。

4 件のコメント:

  1. 今朝娘が起きて来るなり、「大久保さんのブログ見た?」って聞くのです。「ここ何日か見てない。」と言いましたら、「私と同じ考えを書いている。」というのです。まさにここに書かれているのと同じ事を娘は常々言っています。親としては時期がいつであれ、娘が「一人暮らし」になることへの不安がないと言えばうそになります。でも、「別れ」は必ずやってきます。親も「最終的な子離れ」の準備期間が必要なのだと思います。

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    1. 白崎の母さんへ

      娘さんとの会話のきっかけの一つになれたようで、良かったです。
      娘さんと同じように、将来を真剣に考えている当事者の方が多いです。
      しかし、医療や福祉は"失敗"と"二次障害"を避けるため、当事者の方たちの想いにストップをかけてしまうことがあります。

      確かに、"失敗"と"二次障害"は、本人たちを苦しめます。
      でも、リスクばかりを気にしていたら、当事者の方の成長する機会をも奪いかねません。
      私は成人した方たちも、子ども達と同じように成長していくと思っています。

      障害は横に置いておいて、まずは本人と家族の幸せにはどういったことが必要か?
      この視点が重要だと思います。
      私は障害を持った人を支援しているのではなく、人を支援している、と考えています。

      明日がどうなるか分からないのが人生だと思います。
      ですから、準備は遅すぎることはありません。
      もし娘さんが失敗したとしても、帰ってこられる場所があるうちに!

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  2. 白崎やよい2015年3月23日 13:39

    先に母がコメントしていますが……。私もよく母に「お母さんが生きているうちに独り暮らしをしたい」と言っているんです。ですが母は「なんで生きてるうちなの?」とあまり真剣に取り合ってくれません。「両親の死後が心配だから」と言っても「まだ何年かは死なないと思う」と言うんです。

    もっとも、健康上の理由や経済的な理由から、私が今すぐ独り暮らしをするのが難しいのは事実です。ですが、親が健康なうちに独り暮らしを経験したいと思っています。大久保さんが同じ考えでいらっしゃったので、とても安心できました。

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    1. 白崎やよいさんへ

      私の考えに共感していただき、ありがとうございます。
      是非、親御さんが元気なうちに、独り暮らしを目指してくださいね。
      応援しています!

      独り暮らしを始めたとき、すべてが完璧にできている必要はないと思います。
      一人で暮らしながら、気が付いたり、身に付けたりすることも、たくさんあるからです。
      最初は心もとない独り暮らしでも、徐々に自分には何ができ、何ができないのかがわかってくれば、対策をとることができます。
      第一、親御さんが元気なうちは、手助けを借りることができます。
      そうやって、一人でも生活できるくらいまで成長していくのだと思います。
      親御さんに、自分一人で生きていけるくらいの姿を見せられることが、最大の親孝行かもしれませんね。

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