2015年5月25日月曜日

トラウマは『上書き保存』

先ほど、嬉しい報告がありました。
「試験に合格しました!!」という報告です。
目標である就職につながる試験でした。

その方は、試験を受けることに対して大きな困難を抱えていました。
学校時代に受けたいじめから学校のような雰囲気を感じるものは、全てダメになってしまったのです。
学校の机、黒板、廊下、螺旋階段、自分の持ち物では筆箱、定規などの学校を連想させる物や、若い年代の人たちも。
そういったものがあると、当時のことが意思とは関係なく生々しく思い出されてしまい、緊張が高まり、心臓がバクバクし、落ち着くことができなくなります。
そのため、最初はその試験会場に入ることもできませんでした。
入れるようになったあとでも、落ち着いて試験が受けられる状態ではなく、実力が発揮できずに何度も試験に落ちていました。
でも、そのトラウマを乗り越え、見事試験に合格することができました。

この困難に関しては、様々な方向から支援を展開し、一緒に実践しました。
まずは試験会場に入れること、落ち着いて時間内試験を受けられることが、大事なポイントになりました。
日頃のコンディショニングを整える活動や、試験会場で気分が落ち着かなくなったときの対処方法など、2人で考え、より良いものを構築していきました。
その結果として、試験会場に入れるようになり、落ち着いて試験が受けられるようになりました。

私が考えるトラウマを乗り越える方法は、"上書き保存"です。
トラウマ自体を無くすことは難しいと思いますし、苦しいものではあると思いますが、トラウマ自体、悪いものでも、無くすべきものでもないと感じています。
何故なら、トラウマは、その当時、辛かった出来事をその人自身で対処した自己防衛の手段だったからです。

上書き保存するためには、やはりその場面に向き合うことから始まります。
その当時、凍結してしまった出来事を溶かし、その上に新しい経験を重ねていきます。
そして、辛い経験を辛くない経験に塗り替えていくのです。
試験に合格した方も、頭では試験会場は学校ではないことも、ここではいじめられないことも分かっていました。
でも、当時、凍結した感情が湧き出てしまっていたのです。
ですから、頭ではなく、身体でいじめられないことを経験し続けました。

凍結した出来事を溶かす行為は、精神的な負担が大きいことです。
そのため、日頃からコンディションを整え、その場で辛くなったときの対処方法を身に付ける活動を行って準備をしました。
そして、ゆっくりゆっくりステップアップしていき、とうとう試験に合格するまでに至ったのです。

何度、転んだとしても、自分の足で立ち上がり、大きな山を越える姿。
決して過去の出来事を言い訳にはしなかった姿。
このような姿から、私自身も刺激をもらい、学ばせてもらいました。
就職した先にある"夢"に向かい、このまま自らの足で進んでいってもらいたいと思います。

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