自分の学習形態に合わせて変換できる力を養う

お昼ご飯を食べながら「1つ前のブログだけだと、誤学習させちゃう危険性アリ」と思ったので、もう少し書きます。

1つ前のブログでも書いたように、その子に合った学習形態で学ぶことは大事なポイントです。
でも、「自分に合った学習形態で勉強できないこともある!」ということは押さえておかなければなりません。
たまに、通常学級に在籍している子で「この子は〇〇という学び方が合ってるのだから、授業の形態も合わせてください」などと要求する方がいます。
確かに発達障害の子ども達は学び方が合っていないと、かなり学習効率が下がります。
しかし、通常学級にはその子以外の子ども達も在籍しています。
その子に合っていない授業形態かもしれませんが、他の子にとっては合っている授業形態かもしれませんし、環境上、発達障害の子が求める授業形態にできないという可能性もあります。

「授業形態を変えてくれないのは、学校側の問題である」
「もう通常学級ではだめだから、特別支援学級に転籍する」
というのは、安易な発想だと言えます。
自分に合わせて環境側をどうにかしようというのでは、可能性を狭めるばかりです。
ですから、私の支援では「自分の学習形態に合わせて変換できる力を養う」ということを目標の1つにしています。
例えば、文字で説明されてもわからないときは、自分で絵を描いてみる。
抽象的な思考が難しければ、具体的な物を使って考えてみる。
聴覚情報だけで理解するのが難しければ、動作をつけてみる。
一気に情報を見せられると掴みにくいならば、自分で情報を細切れにしてみる。
など、その子と一緒にどうすれば、今よりも学びやすくなるかを"変換"というキーワードを基に考えていきます。
そして、どんな授業形態であっても学び続けられることを目指していきます。

もちろん、すべての授業形態において自分に適した形態に変換できるとは限りません。
そのときは、それで良いのです。
その分、自分で勉強して補っていけば良いのです。
自分一人で勉強するなら、得意な学び方を使ってどんどん進んでいけますから。

学校でも、自分に合った学習形態で教えてくれるなら、これに越したことはないでしょう。
でも、現実は難しい。
「自分に合った学習形態に授業を変えてください」と先生に頼めますか?
そして、どれくらいの確率で応じてもらえると思いますか?
小学校、中学校、高校、大学、そして職場でも・・・。

自分の脳みそに合った学習形態を知ることが一番大事。
そして、自分に合っていない形態のときは、どうやって得意な形態に変換するかを考え、実践することと、自分自身で自分に合った形態でどんどん学習していくこと。
この3つのポイントを押さえ、子どもの頃から身に付けていくことが、将来の可能性を広げ、障害に渡って学び続けられる人間を作っていくのです。

*もちろん感覚面に対する配慮を求め、交渉していくことは大切です。

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