2015年11月14日土曜日

これ以上、傷ついてほしくないのなら、きちんと指摘する

当事者の人が失敗したり、問題を起こしたりしたとき
「本人がかわいそう」
「これ以上、傷つけたくない」
と周囲が感じることがあります。

失敗や問題の原因が、本人の勘違いや未学習などの場合が多く、"意図的に"とか、"わざと"ではないことがわかると、なおさら、このような感情になります。
本人の気持ちを察し、寄り添うことが支援者というか、誰だって大切なことですよね。
ここまでは良いんです。
でも、「これ以上、傷つけたくない」と思った先の行動に過ちがある支援者が多い。

本人が失敗や問題を起こしたとき、それを指摘しなかったり、何となく曖昧にした表現を使ったり。
これって大問題だと思います。
きちんと指摘しなかったらどうなるか?

本人が失敗する
→支援者「本人がかわいそう」
→支援者「これ以上、傷つけたくない」
→支援者「間違いの指摘なし」
→支援者「不適切な情報提供」(*ここポイント)
→本人「誤った認識」
→本人「再び失敗」
→本人「傷つく」
→支援者「本人がかわいそう」
→支援者「これ以上、傷つけたくない」
→・・・以下略

このような負のスパイラルが出来上がってしまいます。
実際、多いですよ、抜け出せていない人。

定型発達の人だったら、間違いの指摘をされなくても、文脈や状況から想像し、「やってはいけないことをしたな」とか、「敢えて指摘しないでおいてくれてるんだな」とか、「今度は、こうしたらうまくいくだろう」とか自然に理解したりできます。
しかし、自閉症の人はこのような思考に至らない場合があります。
それよりも、「間違いの指摘がない=やってもいい&間違いではない」という受け取り方をする場合が多いです。
間違いの指摘がされないと、改善へとつながるのも難しくなります。

負のスパイラルの中にいる人は、周囲から不適切な情報提供をされたり、そもそも情報が受け取れていなかったりすることが多いです。
その結果、「私は悪くない」「〇〇が悪いんだ」「社会が私を恨んでいる」とか、歪んだ認知が形成されてしまうこともあります。
このように一旦歪んだ認知が形成されたら、それを整えていくのは本当に難しく、労力もいります。
ですから、失敗や過ちを犯したときは、きちんと「失敗は失敗であること」「過ちは過ちであること」を伝える必要があります。
そして、今後、どうしていけば良いのか、改善策を一緒に考えることが大事です。

学校をサボる子がいて、ズル休みや遅刻は当たり前。
でも、ズル休みも、遅刻も、誰も指摘しない。
それでいて、遅刻してでも学校に来れたときには、「よく来れたね」「頑張ったね」なんて言っちゃう。
もうお分かりですよね。
指摘しないことで、「ズル休み&遅刻は悪くないよ」というメッセージになり、時間に関係なく学校に来ただけで褒められて、好きな時間に登校することが強化される。

嘘みたいな現実の話があちこちで聞かれます。
自閉症の人たちは「情報不足で困っている人たち」とも言えます。
良い情報だけではなく、悪い情報も不足しています。
この両方の情報をきちんと具体的に、はっきり伝えることが支援者の役割です。
本人がこれ以上、傷ついてほしくないと思うのなら、失敗や過ちをきちんと指摘し、情報提供をするのです。

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