引き継ぎが日本語でできるとは限らない

近い将来、外国人労働者の力に頼らなければ、この国の福祉が成り立たなくなるのは目に見えています。
現に介護の分野では、外国の方が働いています。
当然、障害者福祉だって、外国の方が働くようになるでしょう。

来年度から小中学校の教職員の削減方針が決まりましたし、学校現場にも、どんどん入ってくるかもしれません。
通常級や特学の補助が外国人という時代も。
そうなったら、「うちの子には、外国人ではなく、日本人の補助員をつけてください」なんていうような要求も出てくるかもしれませんね。
今は当たり前のように、日本人の先生が補助や指導にあたっていて、「できるだけ、専門的な知識を持った先生を」なんて言っていますが、そんなのは夢のまた夢という時代が来ると思いますよ。
引き継ぎが日本語でできることだけでも、恵まれた時代だと言われるかもしれませんね。

近い将来、福祉施設での監督者は日本人。
そして、実際に利用者と関わるのが外国人。
学校でも、担任は日本人で、あとは外国人となるでしょう。
今のアメリカのように。

特別支援のニーズは、どんどん増えていく一方、それに応える人間が減っていきます。
当然、働く方としては、より恵まれた環境の仕事を選ぶはずです。
福祉施設のような不規則で、重労働の仕事。
問題行動があっても、受け入れざるを得ない学校の先生などは敬遠されることが多いでしょう。

こういった見通しは、すぐに想像ができます。
ですから、こういった近い将来を頭に入れながら行動していく必要があります。
今のように「教育や福祉がどうにかしてくれるはず」というのが、お花畑になる時代が来ます。
幼いときから、自分たちでできることをやり、将来に向けて一人ひとりが準備しなければならなくなります。
だって、教育の世界も、福祉の世界も、もしかしたら日本語で充分なコミュニケーションがとれない人、賃金を得るためのアルバイト感覚の人が増えていく可能性が高いのですから。

「きめ細やかな教育」「専門的な支援」を要求する以前に、日本語がうまく通じないかもしれませんよ。
契約された時間になったら、子どもを置いて、帰宅するかもしれませんよ。
アメリカでは、利用者の方が働いている横で、スマホをいじったり、雑誌読んでたりなんて普通の光景でした。
補助職員や支援員は、賃金が安いので、誰も就きたがらない。
やるのは、主婦や移民が多いって教えてもらいましたよ。
これが現実です。

既に福祉の世界ではなり手がいなく、元利用者さん、以前は支援を受ける側の人が働いています。
もう福祉の担い手がいなくなっているのです。
学校だって、特別支援のニーズが増える一方です。
しかし、教職員は減らされていく。
じゃあ、どうするかといったら、外国の労働力に頼るしかないのです。

特別支援のニーズを訴え、理解とサポートを拡充させていった結果、競争の中に入ることになりました。
人材も、予算も、じり貧の日本では奪い合いになります。
他が減らされているのに、特別支援だけ現状維持、ましてや拡充なんてあり得ません。
今まで以上に、人材、予算を掛けたら、「これだけ見返り、メリットがあります」と証明できなければなりません。
ですから、自分たちでできることを自分たちの手で行う。
これが、これから先を生きていく人たちの基本になるのです。

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