2016年4月14日木曜日

学習時間と成績が比例していかない理由

毎日、学校から帰ったら、3、4時間勉強している中学生の男の子。
しかも、お母さんが付きっ切り。
それじゃないと、全然勉強に集中できないからだって。
でも、成績は下降を続け、学年でも下位とのこと。
本人も、親御さんも、しんどいだろうなって思ちゃいました。

苦手な教科、苦手なスキルを「時間をかければ」「回数を重ねれば」できるようになると考えているのは、定型基準の話ですね。
特に、発達障害の子にとっては、効果が期待できません。
ただの"苦痛な時間"になってしまうこともあります。

どうして効果が期待できないかって言ったら、脳みそに相当な負荷がかかっちゃうからです。
苦手なことをやり続けるには、苦手なことに意識して注意を向け続けなければなりません。
また同時に、周囲の誘惑や刺激に打ち勝つ必要があります。
注意を向けることと、注意を奪われないようにするだけでエネルギーがいります。
それに苦手なことですから、その工程だったり、やり方だったり、教わったことだったり、過去に学んだことだったりと、様々なことを記憶したり、記憶から呼び戻したりする必要があります。
つまり、注意を維持しながら、記憶の更新もしなくちゃならないんですね。
さらに、姿勢の保持が自然にできなかったり、手先が不器用だったりしたら、そういった身体の操作に関するエネルギーがプラスされるのです。

自閉症の人の中には、こういった認知活動を行う脳の部位の未発達や不具合、連携がうまくいかない人が多くいます。
ですから、様々な負荷がかかってしまうと、「とてもじゃないが、何かを学ぶ状態じゃないですよ」ってなります。
毎日、3、4時間も勉強しているのに、成績が下がる一方なのは、こういった背景があるかもしれませんね。

苦手なことじゃないにしても、何かを学ぶには、脳みそへの負荷を軽減させる工夫が必要です。
周囲の刺激を制限したり、学ぶ範囲や時間を細かく分けたり、頭の中で記憶していたものを機器に記憶させたり…。
あと、やっぱり苦手なことやできないことを学ぶには、好きなこと、得意なこと、趣味などとくっつけるのが一番です。
例えば、好きなマンガを読みながら漢字の勉強をしたり、好きなスポーツや遊びを通して社会性やルールを学んだり、好きな塗り絵を通して指先の動かし方を練習したり。
好きなこと、得意なことは、注意を向ける、維持することに大きな負荷がかかりませんし、動作も習得しているので、学ぶべきことだけに集中ができますね。

熱血教師やスパルタ式が、自閉症の子ども達と相性が悪いのは、指導法と自閉脳の相性が悪いからかもしれません。
学習時間と成績が比例していかない場合は、こういった視点から見直してみるのも良いかと思います。

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