資格や学歴がなくても仕事はできる

「私は高校中退してしまったから」
「私は大学に行っていないから」
「私は資格がないから」
「私はずっと不登校だったから」
「私はずっとひきこもりだったから」

こういったセリフは、成人相談あるあるです。
必ずと言っていいほど、みなさんがおっしゃることです。
このようなセリフを聞くと、普通の支援者なら共感し、「辛かったね」と涙の一つでも流すのでしょうが、私は違います。
「資格がない、学歴がないと言うけれど、五体満足の身体があるじゃないか」と言いますね。
だって、そうでしょ。
資格がなくても、学歴がなくても、働いて自立している人はたくさんいます。
というか、仕事って資格があるとか、学歴があるとかが重要なのではありませんね。
求められる仕事ができるかどうかが、重要なのです。
「就職には資格と学歴が必要」というのは、周囲の情報から作られた仕事像かもしれません。

世の中には、資格や学歴が必要な仕事もあります。
でも、資格や学歴がないのなら、そういった仕事を選ばなければ良いのです。
自分ができる仕事を見つけ、就職し、そこで認められればOKです。
最初はパートで働き、仕事ぶりが認められ、正社員になった人もいますよ。
仕事ってありもの勝負なんです。
自分の持っているもので勝負です。
自分の持っているものが、五体満足の身体なら、その身体を使って働けばいいんです。

「資格や学歴が大事」っていう偏りの価値観って学校教育が作ってると思いますね。
だって、教えている人達が資格と学歴を大切にして生きてきた人だから。
そういった人達には見えない世界がありますね。
見えない世界を想像し、見えるのが定型発達の子ども達で、同じように見えない世界が見えないのが発達障害の子ども達。
だから、学校的な価値観が根付いちゃうんです、発達障害の子ども達の中に。
資格が大事、学歴が大事って。
それは地方公務員になるために大事なものです。
働くための、自立した生活を送るための必須条件ではありません。

成人の方たちの話を聞いていると、「みんな公務員になりたいの」って思っちゃんですよね。
これって、それだけ発達障害の人達の中に「学校教育的仕事像」が根付いちゃっている証拠だと思いますね。
相談は、この仕事像をぶっこわすことから始めます。
もちろん、成人してからも勉強して資格を取ったり、学校に入りなおしたりするのも素晴らしいことです。
でも、本当にそれがその人の幸せ、充実した人生につながるのかは考えないといけません。

「とにかく働きたいんだ」
「他の人と同じように自立したいんだ」
「今の生活から抜け出したいんだ」
というのでしたら、資格や学歴を取ることが遠回りにもなるんですね。
若さ、時間って、あとから取り戻すことができませんから。
とにかく働きたいのなら、今、自分の持っているものを使って、働けるところで働けばいいんです。
働いているうちに、生活が整い、スキルが身につき、自分自身が変わっていくものです。
資格や学歴がなくても、その道のプロになることはできますよ。

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