2016年6月14日火曜日

問題行動を解決するコツは、問題行動を直視しないこと

問題が起きると、その原因を突き止めたくなる…というのは、誰にでも抱く感情。
子どもが学校に行かなくなれば、友達関係?いじめられた?授業がわからない?心配なことがある?行事?先生?体調?トラウマ?失敗経験?となる。
周囲も不安からとにかく問題の原因を特定したくなる。
原因を特定することは、周囲の人をひとまず安心させる。
でも、効果はそれくらいなもの。

原因を特定することは意味がないとまでは言わないが、やるだけ時間が無駄ということが多い。
何故なら、そもそも特定などはできないから。
1つの原因が問題と直結しているわけではない。
複雑な要因が絡み合って問題が起きている。
その複数ある要因を1つ1つ特定することなどできるわけがないし、それを特定している時間があるのなら、実際の支援を始める方が良いに決まっている。

よく実践の場で起こる過ちが、問題の原因を1つに特定してしまうこと。
例えば、学校での暴力行為があり、その問題の原因をコミュニケーションスキルの乏しさと特定したとする。
そうすると、支援の方向性はコミュニケーションスキルの向上となって進んでいく。
しかし、コミュニケーションスキルの乏しさは、暴力行為の原因の1つではあるかもしれないが、それだけということはあり得ない。
感情のコントロールができないことも要因の1つかもしれないし、体調が悪かったのも要因の1つかもしれない。
本人の持つ過敏性や衝動性、過去の経験、フラッシュバックも関係しているかもしれない。
コミュニケーションスキルの乏しさというように原因を特定することは、このような他の要因をすべて捨てることとも言える。
これでは、ずっと問題は解決しないし、特定した1つの要因自体に誤りがあった場合には、問題の糸をさらに絡ませてしまう危険性すら出てくる。

問題が起きれば、せっせと記録をとり、直前に何があった、直後に何があった、環境はどうだったとかやりますが、だいたい真面目にそういった記録を書いているタイプの人には問題解決は難しい。
相手にしているのは、問題行動ではなく、人間だから。
人間は複雑な生き物。
原因を特定すること自体が無謀なチャレンジといえる。
だから、問題行動解決にはシンプルな頭が必要。
治しやすいところから治す。
改善できるところから改善していく。
これしかない。
治しやすいところ、改善しやすいところを見抜くには、支援者のセンスが必要であり、どこから手をつければ良いかは柔軟性が必要である。
つまり、真面目に1つ1つ記録をとっているような固さ、問題の原因が特定できると思う固さを持っている人には難しいと言えてしまう。

問題行動を解決するコツは、問題行動を直視しないことである。
問題を見るのではなく、人を見る。
問題を起こすのは人であるのだから。
その人を総合的に見て、治しやすいところ、改善しやすいところへアプローチしていく。
これこそが問題行動を解決する唯一の道である。

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