突然の指摘に、迫りくる選択と手続きの中で

先月くらいから、以前、就学時健康診断について書いたブログのアクセスが増えています。
特に今月は、ほぼ毎日、誰かしらが読まれています。
この時期は、全国各地で行われているのでしょう。
先日、息子も就学時健康診断を受けてきました。
生まれてから同じ月日を過ごした子ども達ではありますが、この6年間をどう過ごしてきたのかが随所に表れていたように感じました。


私のブログに辿りつくということは、発達の遅れが指摘された子の親御さんが多いものと想像します。
実際に相談に来られる方たちの中にも、「就学時健康診断で指摘されて」という親御さんがいらっしゃいます。
どの親御さんも、我が子の障害を受け入れるかどうか以前に、初めて障害の存在を知り、そうかと思えば、選択を迫られています。
「支援学級を希望されますか?通常級を希望されますか?」
「お子さんの場合は、支援学級での教育が適していえます。つきましては、なるべく早く診断を受けに行ってください。医療機関で診断を受けたあとは…」
同じように、驚きと戸惑いと不安がごちゃ混ぜになった感情の中、ネット上に情報を求められた親御さんが、今日もどこかにいるのだと思います。


「障害についてわからない」
「どんな教育が良いのかわからない」
「障害を持った人の大人の姿がわからない」
みなさん、「わからないことだらけです」とおっしゃいますが、それは当然のことです。
翌年の4月から特別支援を受けるなら、すぐに動き出さなければなりませんから。
親御さんご自身の気持ちと向き合う暇はなく、やらねばならないこと、選択しなければならないことをこなしていくだけで、すぐに年が明け、入学の時期になってしまうのですから。


「障害を持った子は、放課後、児童デイに通うらしい」
そんな情報を得た親御さんは、いろいろと見学に行かなきゃ、申し込みをしなきゃ、とさらに自分の気持ちと向き合う時間を後ろにやり、翌年の4月に向けて突き進まれます。
当然、福祉の仕組み、特別支援の実態などを知る由もなく、支援を受けることが普通であり、良い支援を受けさせることが、この子にとって良いことになる、そんな思考を作り上げてしまいます。


突然の指摘に、迫りくる選択と手続き。
そんな中で、ゆっくり自分の気持ちと向き合う時間がないかもしれません。
でも、 ご自身の内側から湧き出てくる自然な感情と向き合うことが重要だと思います。
すると、親としてどうしたいのかが見えてくるはずです。
そして、与えられた選択肢以外の選択肢が見えてきます。


「障害を指摘されて、子どもが私の手から別のところに離れていった気がしました」
そんな風におっしゃった親御さんがいました。
これこそ危険なことなのです。
障害という未知のものと出会い、我が子が自分の経験した世界とは別の未知の世界へと歩みだすような感覚。
しかし、障害を指摘された前後で変わったのは親御さんの心情であって、その子自身ではありません。
「こんな風に成長してほしい」
「こんな大人になってほしい」
その気持ちのままで、子育てを続けられればよいのです。


障害があるから特別支援教育を受ける、支援サービスを受ける。
今は、それ以外の選択肢もあります。
発達に遅れがあるから、それに応じた教育、支援を受ける、だけではなく、発達に遅れがあるから、その遅れを育て直す、という選択肢もあるのです。
育て直しは、今日から、親御さんが家庭の中でできるものなのです。


「就学時健康診断で障害を指摘されました…」という親御さんに、「だったら、その発達のヌケ、遅れを育て直しましょう」とお話しすると、大変驚かれます。
そして、多くの親御さんが涙を流されます。
本当は、ご自身の自然な気持ちに添った選択肢がないものか探し、求めていたのだと思います。
突然の指摘に、迫りくる選択と手続きのときだからこそ、一度立ち止まって、本当に求めているものを選んでいただきたいです。
そのために私は、「治す」「治る」という選択肢があることをもっと発信していきたいと考えています。

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