2018年も一人ひとりの命と真剣に向き合う発達援助!

私は、どの親御さんにも、お子さんがお腹にいたころの様子、出産時の様子を必ずお聞きします。
この時期の話の内容は、とてもプライベートなことです。


親御さんによっては話すことに抵抗があったり、「もしかしたら自分のせいで」と傷つかれることも多々あると思います。
でも、私は敢えてお尋ねします。
それは親御さんを責めるわけではなく、発達に遅れが出た原因を探したいわけでもありません。
目的はただ一つ。
発達のヌケを育てなおすためです。


ギョーカイの支援者にとって、妊娠中の話、出産の話に触れることはタブーとなっています。
それは「発達障害は親のせいではありません」という戒律があるからです。
発達障害は生まれつきの障害であり、親の育て方でなるものではない。
古くは、親の愛情不足が自閉症の原因だと言われ、親御さんが責められていた時代がありましたので、その揺り戻しとして決して親御さんを責めるようなことは触れてはいけないと頑なになっているのです。
また職業支援者は、親御さんがお客様ですので、少しでも気分を害されるようなことには触れないのです。


目の前の子と真剣に向き合おうとしたら、生を受けた瞬間から今までのその子の物語を見る必要があります。
生を受けた瞬間とは、出産時ではなく、受精したその瞬間のことです。
その子の生きてきた物語の流れを知らずして、今の発達援助も、未来の予測もできるはずがありません。
ある一部分を切り取ったら、それは流れのない、生を感じない支援になるのです。
ですから、ギョーカイの支援とは、過去と未来とのつながりのないその場限りのものになっています。


定型発達と呼ばれている子ども達だって、順風満帆な順序通りの発達をしているわけではありません。
発達の凸凹は誰にだってある。
だからこそ、一人ひとりの発達の物語を見て、どこから、何から育てなおすかを知る必要があります。


医療が進歩し、以前だと生まれてくることができなかった子ども達がこの世に飛び出すことができるようになっています。
医療の進歩の歴史と人類の進化の歴史を比べると、とてつもない時間の差があります。
ですから、遺伝子レベルで変化に追いつけていないこともあるでしょう。
しかし、この世に生まれてきたことは素晴らしいことであり、一人ひとりがこの社会、未来を築いていく大切な子ども達です。
変化に適応できず、その結果として発達に何らかの影響があるとしたら、それを育てなおしていく。
それこそが、人間の知恵であり、一人ひとりの人間を大切にすることだと考えています。


私は初日の出を見ながらランニングをしてきました。
おせちをお腹いっぱい食べました。
家族みんなで元旦を過ごしました。
当たり前のように新年を迎えたように思えますが、それもこれも元気な身体があり、生きているから味わえたことなのです。


商売を重視すれば、ギョーカイ支援者と同じように、妊娠、出産の話題に触れない方が良いのかもしれません。
でも、それはその子の生命と真剣に向き合っていないことだと思います。
真剣にその子の命と向き合うからこそ、真剣にその子の発達のヌケを育てなおしたいからこそ、その子の歩んできた物語を切り取ってはならないと思うのです。


発達のヌケは、言語以前の段階で生じる。
だからこそ、受精からの出産、生後数年の話が重要です。
私は、今年も一人ひとりの命と真剣に向き合う発達援助を行っていきたいと思います。
どうぞ本年も宜しくお願いいたします。


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